エンタメはポリコレに屈するなという人がいる限り、エンタメはポリコレに屈する必要がある

「ポリティカル・コレクトネス(political Correctness)」。通称、ポリコレ。直訳すると「政治的正しさ」。誰にとっても公平な社会を実現するため、あらゆる文化的価値観を認め合うべきだという発想のことらしい。わかりやすく言うと人種、宗教、性別などに対して少数派を排除することなく共存していこう、ということ。

最近は過剰にポリコレに配慮された映画やゲームが話題になっている。昔は作品に同性愛者が登場するときは必ずストーリー上そのキャラが同性愛者である必然性があった。障害者の登場人物は障害があることがストーリーに関わってきた。昨今の作品は物語に関係なく障害のある登場人物が出てきたり、特に何の説明もなく当たり前のように主人公が同性愛者だったりする。

特にディズニーはその傾向が顕著である。「バズ・ライトイヤー」(トイ・ストーリーのバズが主人公のスピンオフ作品)ではメインキャラの1人がレズビアンで女性同士のキスシーンがある。しかもわざわざレズビアンだと打ち明けるシーンはなく、突然女性のパートナーが出てきてキスをする。そのキャラがレズビアンであることはストーリーと全く関係ない。同性愛が法律上認められていない国ではそれが理由で上映禁止になったらしい。

もっと話題になったのは実写版「アリエル」だ。原作では白人のアリエル役に実写版では黒人が抜擢されて「イメージと違いすぎる」「ポリコレに屈している」と批判された。

(全く関係ないけどディズニーの実写化リメイクシリーズの中で「ライオン・キング」あるじゃん。あれ「あのライオン・キングがフルCGで実写化!」って宣伝されてたけど「フルCGで実写化」って意味わからん。最短で矛盾してるだろ。)

ピクサー最新作の「マイ・エレメント」もかなりポリコレを意識してると思う。表向きは若者が夢を目指す話なんだけど欧米のアジア人差別が裏テーマになっている。裏テーマというかかなり露骨に人種差別をテーマにしてる。ただそれだと話が重くなりすぎるから人種ではなくエレメントという種族の違いに転換している。その上かわいいデザインのキャラクターたちでテーマの重さを和らげている。さらに話の中心を「家業を継がずに夢を追って良いのか」にすることで子供にも見やすくなっている。見やすいから何度も見る。何度も見てる内に出生の違いで差別することのくだらなさが子供の価値観に刷り込まれる仕組みになっている。知らんけど。

ディズニーだって本当はポリコレに屈したくないと思う。話を作る側にとって女性のパートナーは男性の方が都合がいい。その方が観客はスムーズに話が入ってくるから。どこかの国で上映禁止にもならないし。アリエルも白人の方が批判されないだろうし子供向けのアニメで人種差別なんて扱いにくいテーマはやりたくないだろう。

それでもやらなきゃいけない世の中になってるということだ。ディズニーは特にその使命を感じてるんだと思う。

ポリコレに屈してる作品を見て育った子供たちは「それが当たり前」になるからポリコレに屈した作品を見てもポリコレに屈してるとは思わないだろう。そうした子供たちが大人になったら、今より生きやすい世の中になってるかもしれない。

「エンタメはポリコレに屈するな」と言う大人がいなくなった時、エンタメはポリコレに屈する必要がなくなる。

【PR】

楽天かAmazonで何かお買い物する際

下記リンクより購入していただけると

私に広告収入が入る仕組みになっています。

ご協力いただけると助かります!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です