ナンカイなのがナンカイイ

作品が完結してるのに考察が必要ってことは、つまり駄作ってことだ。

ワンピースみたいに連載中の作品の考察は楽しい。念の為に言うと考察とネタバレは違う。考察とはあくまで現在出ている情報の中でああでもないこうでもない言うことである。

完結してるのに考察が必要ということは単に「説明不足」なのだ。未完成なのである。

未完成のまま勝手に完結しておいて「後は受け手側で好きに想像してね」っていうのは無責任だ。

最近は考察ブームで考察できる余白があるほど良い作品みたいな風潮があるけどそんなので喜んではいけない。消費者をバカにしてる。

かと言って作品の中ですべてを説明する必要はないのも事実である。

昔、モンスターズ・インクはつまらないと言ってる知人がいた。ラストで中途半端なところで終わるのが嫌だと言っていた。「あの後」どうなるのか知りたい、と。

言わずもがなモンスターズ・インクは「あそこ」でズバっと終わるから名作なのである。その知人は映画をたしなむ素養がなかった。「あの後」ブーとサリーたちが幸せに暮らすシーンは我々の脳みその中で観ればいい。それは説明不足ではなく余韻と呼ぶ。

作品には説明しなくていい部分と説明する必要がある部分がある。言い換えると視聴者が理解しなくていい部分と理解できないと何の話なのかわからない部分、である。

インデペンデンス・デイでエイリアンが地球を襲う理由は視聴者はわからなくていい。バットマンのジョーカーがなぜ狂人になったのかもわからなくていい。(映画「JOKER」で明かされたけど、視聴者はジョーカーの過去を知らなくてもよかった)

君の名は。で最後に瀧くんが三葉の掌に名前を書かずに「すきだ」と書いた理由は説明がいる。絶対名前書いた方がいいから。というかそれ以前になんで最後会えたのかも説明いる。体が入れ替わるまではそういうファンタジーの設定として受け入れてるけどあそこだけ時空が歪むのは都合良すぎる。なんでもありだったらなんでありじゃん。ファンタジーだからこそ、なんでもありでは味気なくなってしまう。説明がいる。

昔ヒットしたマンガで最後に主人公がバイク事故で死ぬシーンがあった。

主人公は泣きながらバイクを運転していてブレーキをかけずに赤信号の交差点を直進する。車に轢かれて死ぬ。

事故のようにも見えるし自殺のようにも見える描き方だった。

ただその時主人公はバンドが上手くいきそうな感じになってたので自殺する理由がなかった。かといって話の流れ的にも主人公を事故死させる理由がない。読者置いてけぼりのまま、なんか大切な人が死んじゃって悲しいけど仲間たちはそれを乗り越えて生きていくみたいなラストだった。

意味わからんと思ったが世間的にはかなり評判が良かった。そのマンガが好きという友人2人に「なぜ主人公は最後自殺したのか」と聞いたら2人とも「いや、自殺じゃないでしょ。事故でしょ」と言っていた。

2人とも作者が意図的に事故のようにも自殺のようにも見える描き方をしてることにすら気付いてなかった。なんでそれであのマンガを好きになれるんだ。意味わからなすぎる。あのマンガを好きな人たちはそんな人ばかりだと思ってる。違ったらすんません。

その後そのマンガの作者がインタビューで「あれは事故死なのか自殺なのか」と聞かれていた。作者は「読者にゆだねます」と言っていた。まじでふざけんな。最後に主人公が謎の死を遂げて自殺なのか事故なのかもわからない話ってなんだ。

ストーリーに余白があればあるほどカッコいい的な風潮がこういう作品を生み出す。

それからさらに10数年後、その作者がインタビューで改めて「結局のところ、あれは事故死なのか自殺なのか」と聞かれていた。

「読者にゆだねますって答えてたけど実際は主人公が運試しをしたんです」という趣旨のことを答えていた。

バンドが上手くいきそうだけど将来の不安もある、悩んだ主人公はアクセル全開で目をつむって信号無視することにした。そこで事故に遭うくらいなら自分はそれまでだし、そのまま交差点を渡れたら自分の人生は上手くいくかもという運試しをしたとのこと。

く、くだらねぇ〜〜〜!

そんなことで10何年もひっぱってんじゃねぇ〜〜〜!

それをマンガで描けぇ〜〜〜!

描けなくてもせめて当時のインタビューでそれ言え〜〜〜!

作品が完結してるのに考察が必要ってことは、つまり駄作ってことをわかってもらえただろうか。

難解なのがなんか良い、なんてことは許さん。

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