5年後10年後のことを考えないで40年後50年後のことを考えてみよう。
例えば30歳の人が脱サラしてミュージシャン目指すために今からギターを始めるとする。今さら感すごい。中学生から弾いてる人も珍しくないし大体の人は20歳くらいまでには始めてる。同い年のギタリストたちと比べたらすでに10年くらいキャリアに差を付けられてる。そう考えるともう今さら始めても意味ない気がしてくる。1年目と10年目の実力を比べたら絶望しか感じない。でも40年後50年後はどうだろうか。キャリア50年のギタリストとキャリア60年のギタリスト。一緒じゃん。対して変わんないじゃん。ってことは30歳でギター始めても全然遅くないんだよ。
今30歳の人が80歳になる頃にはもっと医療が発達しまくってるから多分80歳全然元気だと思う。100歳で死ぬとしてもまだ後20年もあるんだよ。80歳のギタリストとして活躍するには十分な時間あるでしょ。
かといって始めたからには40年50年続けなきゃいけないって無理にプレッシャー感じる必要もない。ギターを練習してみて思ってたのと違うなと思ったらやめちゃってもいい。50年続けられる趣味を持ってる人は実はめちゃくちゃ飽きっぽい人だと思う。飽きっぽいからジャンル問わず気になったものにすぐ手を出す。たくさん手を出すからそのうち何か1つくらいしっくりくる趣味に出会える。そんなもんだと思う。おれも今までたくさん手を出しては辞めてきた。サーフィン、ゴルフ、バスケ、サッカー、ギター、ヨガ、登山、等々。始めたことすら忘れてる趣味もあるだろう。今やってる筋トレもいつまで続くかわからない。でもその中のどれかが50年続く趣味になるんだろう。それでいいと思う。
「この業界で食べてる人は10代の頃から努力してるし俺なんて」と思ってやりたいこと始められない人は、悪いけど考えが浅いよ。浅く考えるくらいならいっそ考えないほうがいい。やっちゃえばいいんだよ。
やりたいことやってる人に対して「この業界で食べてる人は10代の頃から努力してるしお前なんて」と言う人もいる。そういう人は自分自身が何かを諦めたクチなのだ。自分は諦めたからまだ諦めてない奴がいることが気に入らない。だから足を引っ張ろうとしてるだけ。気にしなくていい。
やっちゃえばいいんだよ。
漫画家、イラストレーター。東京都在住。1988年生まれ。