でっかい建物を「でっかい建物」としか認識できない

デパートとか百貨店とか見ても「でっかい建物がある」としか思えない。でっかい建物をルミネとか東急デパートとか名称で認識してる人が信じられない。なんでそんな覚えられるの?

「新宿の伊勢丹あるじゃん?」と言われてもわからない。新宿に伊勢丹があるのはわかるけど、どこにあるかがわからない。何回もその前を通ってると思うけど、でっかい建物としか認識してないからそれが伊勢丹かどうかわからない。新宿にはでっかい建物がありすぎるし。

バイト先の吉祥寺駅の出口にはアトレ口と公園口と「公園口じゃない方」がある。厳密に言うと西改札(アトレ口)と南改札(公園口)と中央改札がある。ややこしいのが中央改札である。中央改札からは公園口にも行けるし「公園口じゃない方」にも行ける。この「公園口じゃない方」には◯◯口という名前がないのだ。ややこしすぎる。

おれのバイト先はこの「公園口じゃない方」にある。困るのが電話でお客さんに駅からの道順を聞かれた時だ。「公園口じゃない方に出ていただいて…」って言うのはなんか違和感がある。だからスタッフはみんな「パルコのある方」と呼ぶ。「公園口じゃない方」にある一番目立つ建物がパルコなのだ。ちなみに公園口にはマルイがある。マルイが「公園口」、パルコが「じゃない方」なのだ。

吉祥寺を知ってる人なら「ロータリーのある方」って言えばいいじゃん、と思うだろう。しかしそれじゃ意外と伝わらない。吉祥寺は年配の方も多くてその年代の人にロータリーはあんまりピンと来ないらしいのだ。そもそも今の時代に電話で店の場所を聞いてくる人はほぼスマホを使いこなせない世代の方なので、ロータリーって言うとロータリーの説明からしなきゃいけなくなる。スタッフたちの長年の経験で伝わりにくい説明は淘汰され、誰もが1発でピンと来る説明として生き残ったのが「パルコのある方」なのだ。

おれは今の店で9年くらいバイトしてるからもう何回も「パルコのある方に出ていただいて…」って説明してるんだけど、最近はさすがにわざわざ電話で道聞いてくる人も少なくなってきてて道順を説明するマニュアル的なのが頭から抜け落ちていた。

今日すごい久々に電話で道順を聞かれて脳がパニックになった。

(あれ…こっち側にあるのってマルイだっけ…パルコだっけ…)

通勤途中に千回以上見てるでっかい建物がパルコなのかマルイなのか分からなくなったのだ。

記憶を辿る。駅を出てでっかい建物が見える。白いレンガ調みたいな壁だ。でっかいショーウィンドウがある。上を見れば看板が書いてある。脳の中で上を見上げる。上の方が霞んでいる。看板がよく見えない。マルイのようでもあるし、パルコのようでもある。あ、思い出した!

「マルイの方に出ていただいて〜」

説明し終わって電話を切るまで間違ってることに気付かなかった。すみません…。本気で間違えました。

新人ならともかく、もう9年もやってるんだけど。パルコとマルイ、覚えられない。

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