結婚してる友達は奥さんが働いてなかった頃よく「うちは1馬力だから家計が厳しくて、、」と言っていた。その話を聞くといつもモヤモヤした。
「馬力、、?」口には出さないが頭の中で反芻していた。
どんだけ稼いでてもパートナーが専業主フだと1馬力、あんまり稼いでなくても共働きだと2馬力。なんかおかしくない?
稼ぐ人数の単位を馬力とするとき、浮かんでるイメージは馬が馬車を引いてる絵だと思う。違う?違ってもいいから黙って聞いてくれ。
1頭で1馬力。2頭で2馬力。
家庭という名の馬車を引くのが1人なのか2人なのか、というイメージをしてるんだと思う。
でも待ってほしい。馬力ってそもそもエネルギーの強さを表す単位だからエネルギーの出力元の数は関係ない。
「2頭で引く馬車だから2馬力」っていう数え方はしない。2馬力のエネルギーが出てれば1頭でも2馬力だ。
600馬力のスーパーカーは600基のエンジンを積んでるわけじゃなくて600馬力のエンジンを1基積んでるのだ。
10万個のモーターがアトムの体内に入るのか?
なぁ、入るのか?
そんな屁理屈を言うとじゃあ生活費を稼ぐ人数の単位をなんて言えばいいんだという話になるだろう。なるか?なるね。
馬車じゃなくて飛行機に例えるのはどうだろうか。エンジン1基の飛行機を単発機、2基の飛行機を双発機と呼ぶらしい。
家庭という名の飛行機を飛ばすのが1人なのか2人なのか。そういう話でしょ?
これからは「うち単発機だからきついんだよなぁ〜」と言ってほしい。
とはいえ、別に馬力でも伝わるしなんでこんなにモヤモヤしたんだろう。
あれかな、「うち1馬力できついんだよなぁ〜」って言ってる奴の顔が「お前は結婚してないからわかんないだろうけどなぁ〜」っていう顔に見えて単純にむかついただけかな。あいつそういう顔してるもんな。
漫画家、イラストレーター。東京都在住。1988年生まれ。